・「外見より中身」の真実
- これまでのサクセスモデルと「外見より中身」の本当の意味
つい最近まで(地域と業種によっては今でも)、日本で「社会的に成功」するための道といえば、
「いかにして、よりステイタスのある組織に潜り込むか」でした。
とにかく、組織の中に入って真面目に頑張ってさえいれば、時間とともに組織内での地位が上昇し、
社会的にも、経済的にも一目置かれる存在になれました。
いわゆる「良い大学へ行って良い会社に入る」というサクセスモデルです。
このサクセスモデルの中で、外見は軽視されてきました。
なぜなら、「オシャレな奴が出世できる」わけではなかったからです。
それよりも、実績や利益を上げて、自分が属する組織のステイタスを高めた者が出世レースで
活躍できました(これは今でも同じですが)。
実績や利益を上げるために、オシャレは必要なかった、と言い換えることもできるでしょう。
実績を上げるために決定的な要素はあくまで提供する商品の良し悪しであり、
商品を提供する社員一人一人のステイタスは会社が肩代わりをしていたのですから。
つまり「外見より中身」とは、
「組織の一員として自分の役割を果たしていれば、『この組織の一員である』ということが
あなた達の評価でありステイタスなので、それ以外のことに個人でエネルギーを使う必要はない。
その分、組織に貢献して、組織のステイタスがいっそう高まるように努めなさい」
という意味なのです。
事実、これまでのビジネスマンは外見に割く分のエネルギーまでつぎ込んでがむしゃらに働き、
自分と会社の業績を上げ、経済を成長させてきました。
- サクセスモデルの変化とその後の価値観
現在、このような組織優先の考え方は徐々に過去のものになりつつあります。
というより、
「オレは○○大卒だ!」「○○の社員だ!」
などと自分の属する組織のステイタスと自分自身のステイタスを混同している人は、明らかに嫌わる傾向にあります。
サクセスモデルに変化が起こった原因はいくつかあります。
一つには、バブル経済の崩壊によって、有名企業でもリストラや不祥事が横行したことが挙げられます。
どんなに有名な会社の重役であっても、不祥事一つで首が飛ぶのが現在の会社です。
年功序列、終身雇用が崩れ、会社が社員を守ってくれる時代は終わりました。代わりに
自分自身で自分の信用を築き上げていく時代になったのです。
経済の国際化もサクセスモデルに変化を与えました。
より多くの利益を上げるために、生まれた国も、文化も習慣も違う外国の人たちと仲良くしなければならなくなりました。
しかし、文化が違うと、何を基準に相手の能力を判断すれば良いのか分かりません。
そこで、とりあえず外見からお互いの能力を推し量ります。
「身だしなみのだらしない人は、仕事もだらしないだろうから、わざわざ労力を割いて仲良くするには値しない」
とみなされるのです。
従って、多様な文化が混在する国家(もちろんアメリカもです)では昔から
「外見がしっかりしていないと相手に信用されない」
とされてきました。
日本も徐々にこの傾向が強くなっています。
そして外せないのが、男女の人間関係の変化です。
昔の女性は、男性を、勤める会社で選んでいました。
なぜなら、女性が自分自身でお金やステイタスを手に入れる方法がなかったからです。
ですからどうしても
会社のステイタス=社員のステイタス=社員の奥さんのステイタスで、
女性は有名企業の男性社員と結婚し、結婚後は旦那さんが会社で出世できるようにサポートするもの、
という考え方が一般的でした。
しかし現在では、その気になれば、女性でも大金を稼いだりステイタスを手にすることができるようになりました。
と同時に、男性を選ぶ基準も、勤め先が有名であることは必須条件ではなくなりました。
しかし、所属先の優劣が絶対条件ではなくなると、何を基準に相手の能力を判断すれば良いのか分かりません。
そこで、国際化同様、とりあえず外見からお互いの能力を推し量るようになりました。
「身だしなみのだらしない人は、生活もだらしないだろうから、わざわざ労力を割いて仲良くするには値しない」
とみなされるのです。
断っておきますが、これらはただ値段の高いものを着ていれば信用されるというものではありません。
優れた柔道家は、相手の道着の着方(=外見)を見ただけで相手の実力がわかると言います。
相手の外見の中に相手が今まで何を考え、どう生きてきたかを見出す。
また訓練によって見出せるようになれる、ということなのです。
そして、残念ながら、両親や学校がこの変化をサポートしてくれるとは限りません。
これは世の中の良し悪し、教育の良し悪しではなく、今、まさに時代が動いている、
その真っ只中に私たちがいる、ということなのです。
- 曲がり角のオタクとオタクの曲がり角
サクセスモデルの変化に気がついたとき、多くのオタクは拒絶反応を示します。
今の今まで、自分はそこそこ良い成績を取ってきたと思っていたのに、「身だしなみに気を配る」という点においては
まったくダメだったということがわかってしまうからです。
何より許せないのは、この変化によって自分たちの評価が大きく目減りすることでしょう。
気がつくと、チャラチャラしていいかげんな連中が「オシャレ」「カッコイイ」ともてはやされ、
かわりにセンセイの言うことをきちんと守って学業に打ち込んだ自分たちが「つまらない」「ダサい」と陰口を叩かれています。
「何だよ、いまさら」
「オシャレも大事なら、最初にそう言ってくれればよかったじゃないか」
オタクがオシャレを拒絶するのは、
「間違っていたのは、オシャレを馬鹿にしていた自分たちのほうだった」
「自分たちの努力こそ無駄だった」
という残酷な現実を、できることなら直視したくない、という苦悩の結果でもあります。
でも、悲観したり、パニックになる必要はありません。
あなたに問題があったのではなく、戦略上、足りないものがあっただけなのですから。
足りないものがわかっているのなら、手に入れればよいのです。
身だしなみの整え方、オシャレの技術。
少し手を伸ばせば簡単に手に入るものばかりです。
確かに、残された時間は、前よりずいぶん減ってしまった。
それでも、このままで終われない。
終わるわけにはいかないんだ。
あなたも、そう思いませんか?
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